コース目次 / 第0章

はじめに — 見つけたら、終わりではない

脆弱性を見つけることと、正しく伝えることは別の技術だと確認します。このコースの演習がサイト内で完結し外部に送信しないことを押さえ、法と倫理ゲートに同意します。

第0章 / 全6章目安 約5分この章のゴール: 「見つける」と「伝える」が別の技術だと理解し、演習の安全な枠組みを確認する

学びが進むと、いつか「気づいて」しまいます。自分の実習環境ではない、よく使うサービスで、URL をいじったら見えてはいけなさそうなものが見えた気がする——。そのときにどう振る舞うかで、あなたが信頼される診断者かどうかが決まります。

sec-law の第4章でも、この「作法」の入口には触れました。このコースは、そこを一段深めます。穴を見つける技術と、それを正しく伝える技術は、まったく別物だからです。

見つけたあとで、分かれる

同じ「穴に気づいた」でも、そのあとの行動で、正反対の結果になります。

加害になる道: もっと試して確かめる(=追加の不正アクセス)。SNS で「このサイト危ない」と晒す(=悪用者への地図配り)。取れたデータを保存する(=情報の持ち出し)。善意のつもりでも、これらは相手と利用者への加害です。
貢献になる道: それ以上触らず、正しい窓口へ、相手が直せる形で穏当に伝える。直るまで公表しない。これが責任ある開示(responsible / coordinated disclosure)です。

分かれ目は、技術の高さではありません。見つけたあとの数分の振る舞いです。このコースは、その振る舞いを型として身につけます。

このコースの安全な枠組み

法と倫理ゲート

手を動かす前に

このコースは攻撃の技術に触れます。実習してよい相手は、次の3つだけです。

  • (a) 自分で作った練習用のやられ環境(このサイトが配る自作ターゲット)
  • (b) あなた自身の許可された環境(自分の Thousand SKY・secret-notes-ctf など)
  • (c) CTF 競技の中(規約の範囲で)

実在する第三者のシステムを許可なく触ることは、不正アクセス禁止法に触れます。 このゲートは、その線引きを毎回の入口で確かめるためのものです。詳しくは「セキュリティの法と倫理」へ。

このコースにコードは出てきません。代わりに、模擬の脆弱性報告書を書きます。ここで大事な約束を一つ。

このコースの演習で書く報告は、すべてこのサイトの中(あなたのブラウザの中)で完結します。実在の企業や IPA・JPCERT/CC などの窓口へ、自動で送信されることはありません。題材も、旗艦コースであなた自身が立てた 127.0.0.1 の自作アプリや、架空の人物・システムだけを使います。「報告書を書く練習」を、誰にも迷惑をかけずに何度でもできる場所です。

実在のサービスへの本物の届出は、制度と手順を正しく理解し、慎重に行うべきものです。このコースは、その書き方と作法を安全に練習するためのもの——本番の窓口に、練習の報告を送る場所ではありません。

このコースの地図

章 学ぶこと
第1章 見つけたあとの3つの禁 — 追試しない・公表しない・持ち出さない
第2章 日本の届け先 — 情報セキュリティ早期警戒パートナーシップの流れ
第3章 良い報告書の要素 — 相手が今日から動ける文書とは
第4章 模擬報告を書く — 型に沿って、サイト内で完結する報告を書く

準備ができたら、次の章へ。まずは「気づいた瞬間に、何をしないか」からです。

こうなっていればOK

卒業まであと5章です。

この章はまだ完了していません。