コース目次 / 第2章
最初の記録 — フォルダに歴史を持たせる
init → add → commit の一本道を通して、手元のフォルダに履歴を作ります。
この章はGitHubを使いません。あなたのパソコンの中だけで完結します。
今日のゴール
ふつうのフォルダを、履歴を持ったフォルダに変えます。見た目は何も変わりませんが、この章のあと、あなたは「いつでも戻れる」状態を手に入れます。
1. 材料を用意する
このページのいちばん下にZIPがあります。解凍すると haruto-site というフォルダが出てきます。デスクトップに置いてください。
中身は3ファイルだけの小さなサイトです。この章では1文字も書き換えません(書き換えるのは第4章です)。
| ファイル | 何のためのもの |
|---|---|
index.html |
ページの中身。旅のメモが3件入っています |
style.css |
見た目 |
.gitignore |
あとで説明します。第7節で効き目を確かめます |
中身を読んでみたい方へ(読まなくても先に進めます)
<!doctype html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8" />
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1" />
<title>はるとの旅ノート</title>
<meta name="description" content="カメラを持って歩いた町の記録。行ってよかった場所を少しずつ書きためています。" />
<link rel="stylesheet" href="style.css" />
</head>
<body>
<header class="site-header">
<p class="site-name">はるとの旅ノート</p>
</header>
<main class="container">
<section class="about">
<h1>行ってよかった場所</h1>
<p class="intro">カメラを持って歩いた町の記録です。少しずつ書きためています。</p>
</section>
<section class="notes">
<article class="note">
<h2>直島</h2>
<p class="date">2026-04</p>
<p>港からレンタサイクルで一周した。坂は多いけれど、海沿いの道が気持ちいい。</p>
</article>
<article class="note">
<h2>尾道</h2>
<p class="date">2026-05</p>
<p>坂の途中に猫がたくさんいた。朝いちばんの光がいちばんよかった。</p>
</article>
<article class="note">
<h2>金沢</h2>
<p class="date">2026-06</p>
<p>雨の日に行ったら、石畳が光ってきれいだった。雨も悪くない。</p>
</article>
</section>
</main>
<footer class="site-footer">
<p>はるとの旅ノート</p>
</footer>
</body>
</html>:root {
--ink: #2f2a26;
--paper: #fbf8f4;
--line: #e3dcd2;
--accent: #8a6a4f;
}
* {
box-sizing: border-box;
}
body {
margin: 0;
font-family: system-ui, sans-serif;
line-height: 1.8;
color: var(--ink);
background: var(--paper);
}
.site-header {
border-bottom: 1px solid var(--line);
padding: 20px 24px;
}
.site-name {
margin: 0;
font-weight: 700;
letter-spacing: 0.08em;
}
.container {
max-width: 680px;
margin: 0 auto;
padding: 32px 24px 64px;
}
h1 {
font-size: 1.6rem;
margin: 0 0 8px;
}
.intro {
margin: 0 0 32px;
color: #6b6058;
}
.note {
border-top: 1px solid var(--line);
padding: 20px 0;
}
.note h2 {
font-size: 1.15rem;
margin: 0;
}
.date {
margin: 2px 0 8px;
font-size: 0.85rem;
color: var(--accent);
}
.note p:last-child {
margin: 0;
}
.site-footer {
border-top: 1px solid var(--line);
padding: 20px 24px;
font-size: 0.85rem;
color: #6b6058;
}コース1を終えている方へ。自分で作った mysite フォルダを使っても構いません。その場合、この先に出てくる haruto-site は mysite に読み替えてください。あなたのサイトが公開されるほうが、この章の値打ちは上がります。
2. ミニ解説: Gitが管理する3つの場所
これだけ先に知っておくと、この先のコマンドが全部つながります。
[ 作業フォルダ ] いま編集しているファイルそのもの
│
│ git add 「次の記録に、これを含める」と印をつける
▼
[ 待合室 ] 記録に含める予定のものが並ぶ場所
│
│ git commit 「ここまでを1回ぶんの記録にする」
▼
[ 記録 ] 消えない歴史。ここに入ったものは戻せるadd と commit が2段階に分かれているのが、最初のつまずきどころです。理由は単純で、「10個直したけど、記録に残したいのは3個だけ」という日があるからです。今日は全部まとめて記録するので、深く考えなくて大丈夫です。
3. 歴史を持たせる
haruto-site フォルダを VS Code で開いた状態で、ターミナルに打ちます。
haruto-site フォルダの中(cd ~/Desktop/haruto-site)で打ちます。
行頭の $ は「ここからコマンド」という目印です。$ は打たないでください。
Initialized empty Git repository in /Users/haruto/Desktop/haruto-site/.git/フォルダの中に .git という隠しフォルダができました。これが歴史の入れ物です。見た目には出てきません。
触らないものが1つできました。.git フォルダの中身は、絶対に手で編集も削除もしないでください。ここを消すと履歴が全部消えます(ファイルそのものは残りますが、戻れなくなります)。
逆に言えば、触らないかぎり壊れません。この先のコマンドは全部、この箱に対する出し入れです。
4. いまの状態を見る
Gitで迷ったら、まずこれを打ちます。この章でいちばん覚えてほしいコマンドです。
行頭の $ は「ここからコマンド」という目印です。$ は打たないでください。
On branch main
No commits yet
Untracked files:
(use "git add <file>..." to include in what will be committed)
.gitignore
index.html
style.css
nothing added to commit but untracked files present (use "git add" to track)英語ですが、読むところは決まっています。
| 出ている行 | 意味 |
|---|---|
On branch main |
いまいる枝の名前。第1章で main にしました |
No commits yet |
まだ記録が1つもない |
Untracked files: |
Gitがまだ見ていないファイルの一覧 |
(use "git add …") |
次にこれを打て、という案内 |
Gitの出力は、たいてい次の一手を書いてくれています。括弧の中の use “git add …” がそれです。英語を全部読む必要はありません。括弧の中の git で始まる部分だけ拾ってください。
5. 記録する
まず、待合室に入れます。
行頭の $ は「ここからコマンド」という目印です。$ は打たないでください。
. は「いまいるフォルダの中身ぜんぶ」という意味です。
次に、記録します。
行頭の $ は「ここからコマンド」という目印です。$ は打たないでください。
-m のうしろの文字が、この記録に付ける一言です。3か月後の自分が読むと思って書いてください。
[main (root-commit) 3f9a1c2] はじめての旅ノート
3 files changed, 123 insertions(+)
create mode 100644 .gitignore
create mode 100644 index.html
create mode 100644 style.css英数字の並び(3f9a1c2)はこの記録の背番号です。人によって違います。
6. 歴史を読む
行頭の $ は「ここからコマンド」という目印です。$ は打たないでください。
3f9a1c2 (HEAD -> main) はじめての旅ノート1行だけの歴史ができました。試食章で見た microsoft/vscode の Commits と、同じものです。規模が違うだけで、仕組みはまったく同じです。
git log の画面から抜けられなくなったら、q キーを1回押してください。記録が増えると Git は「長い文章を読む画面」に切り替わり、そこから出るのが q(quit)です。これを知らないと、ターミナルが固まったように見えます。
7. 記録されなかったものがある
もう一度、状態を見ます。
行頭の $ は「ここからコマンド」という目印です。$ は打たないでください。
On branch main
nothing to commit, working tree cleanclean は「編集したもので、まだ記録していないものは何も無い」という意味です。この一言が出ている状態が、いちばん安心な状態です。
ところで、フォルダの中には .gitignore というファイルがありました。
# Mac が勝手に作るフォルダ設定ファイル
.DS_Store
# Windows が勝手に作る画像キャッシュ
Thumbs.dbここに書いた名前のファイルは、Gitが最初から見なかったことにします。 .DS_Store は Mac がフォルダを開くたびに勝手に作るファイルで、放っておくとGitHubに上がって恥ずかしい思いをします。
確かめてみましょう。Macなら、いまこの瞬間もう .DS_Store ができているかもしれません。それでも git status は clean のままです。書いておくだけで、一生気にしなくてよくなります。
ハマったら
「Author identity unknown」と出て commit できない
第1章の git config の3行が済んでいません。もう一度第1章の「2. Gitに名前を教える」を実行してから、git commit をやり直してください。やり直しても何も壊れません。
「fatal: not a git repository」と出る
いま立っているフォルダが違います。VS Code で haruto-site フォルダを開き直してから、ターミナルを開き直してください。cd ~/Desktop/haruto-site で移動してから、もう一度打ってください。いまどこにいるかは pwd で確かめられます。
コミットのとき、見慣れない画面が開いてしまった
-m "…" を付け忘れると、Gitは「一言を書く画面」を開きます。閉じ方はエディタによりますが、Esc を押してから :q! と打って Enter でたいてい抜けられます。抜けたら -m を付けて打ち直してください。
ZIPで戻したい
このページの下のZIPは、この章を終えた状態のフォルダです。解凍して、その中で作業を続けられます。自分で書き換えた部分は消えてしまうので、先に自分のファイルを別の場所へ待避してから使ってください。
こうなっていればOK
うまくいかないときは、この章の完成ファイル一式(ZIP)をダウンロードして続きから進めても大丈夫です。
あと1章で、あなたのサイトに公開URLが付きます。
この章はまだ完了していません。
保存できませんでした(プライベートブラウズ中かもしれません)。この端末に進捗は残りませんが、先へは進めます。